寛容性のパラドックス

昨日読んでいた本で、「寛容性のパラドックス」という話を知り、面白かったので紹介します。

「最近は寛容な社会でなくなってきていると思います。もっと寛容さって大事だよね」と常々思っていたところ、読んでいた本にこのことについて書かれていて、「なるほど」と感心しました。

「寛容性のパラドックス」とは、寛容性が持つ矛盾点を指し示す概念です。このパラドックスは、どこまで寛容であるべきか、そして寛容がもたらす限界や問題点を示唆しています。

寛容性のある社会を目指すためには、不寛容な者にも寛容であるべきか、ということです。

「たしかに!」寛容でいたいなら、不寛容な、例えば頑固な人とかにも寛容であるべきだよね。と思いました。そして、哲学者カール・ポパーによれば、「無制限の寛容は、寛容の滅亡をもたらす」と述べています。寛容性のある社会を目指すなら、不寛容なものに対しては寛容であるべきでない、と。

「ほう、これは面白い。寛容さがある人間になりたくとも、不寛容な人間に対しては、不寛容でいるべき。」と思いました。

寛容でいつづけると、不寛容なものが蔓延してしまいます。寛容であるべきでない意見や行動も受け入れることになり、結果的には自由や平和な社会を損なうことがあります。

この本の例でいうと、小山田圭吾さんの事件について取り上げています。彼の過去のいじめについて、時代を越えて引っ張ってきて、SNS等で集団リンチみたくなったことがありました。これについて、寛容性のパラドックス的に言えば、こういう行為(SNSで彼を否定する行為、キャンセルカルチャー)をするべきだ、ということになります。

ところが、実はカール・ポパーの論は少し違って、寛容性を守るためにはある程度の制約が必要であり、不寛容な行為や扇動を行う人々に対しては寛容であるべきではないというものでした。

「なるほど。そういうことなんだ。ああ、良かった」と思いました。

小山田さんの例は微妙ですが、主に、トランプ前大統領みたいな人には寛容性であるべきではないということだそうです。

ただ、この本的には、キャンセルカルチャーについて肯定的に書かれているので、それについては別途書きたいと思います。

「茶の湯や陶芸に興味がある人必見の『へうげもの』」

本も読みますが、漫画も大好きで毎月毎月Amazonで電子書籍を結構買ってたら
本格的に、財政がピンチなので、大好きな漫画も大控え。
電子書籍だと古い本とか第1巻を読んじゃうと、そのままポンポン買ってしまう…w

なので図書館で借りれる漫画を最近借りたりもしています。

へうげものを読み始めてみました。

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『へうげもの』は、山田芳裕による日本の歴史漫画で、戦国時代から江戸時代初期までの茶の湯や陶芸などの文化や、豊かな生活を描いています。また、主人公の古田織部や千利休などの実在した人物を登場させているのも特徴の一つです。

あらすじ

『へうげもの』は、主人公の古田織部を中心に、戦国時代から江戸時代初期までの茶の湯や陶芸などの文化や、豊かな生活を描いた歴史漫画です。

物語は、主人公の古田織部が、茶の湯を通じて人々の心を豊かにすることを目指し、様々な人物と出会い、茶の湯の技術を磨いていく姿が描かれます。古田織部は、茶の湯を通じて自分自身や他人の心を慮り、自然と調和した美しい生活を目指しています。

物語の舞台となる時代は、戦国時代から江戸時代初期までの約200年間で、茶の湯や陶芸、美術などが発展し、日本の文化が豊かになった時期です。物語は、茶の湯の世界だけでなく、当時の社会情勢や武家文化、宗教文化なども描かれ、歴史的な背景も丁寧に描かれています。

古田織部は、茶の湯の技術を極めるために、美濃国から京都に移り、茶器を作る陶工たちと出会います。古田織部は、茶器の美しさや機能性にこだわり、素材選びから製作までのプロセスに深く関わります。また、茶会においては、茶器や盆、花、床の間、床の間の装飾など、全てに意味やルールがあり、古田織部はそれを守りつつ、自分なりの表現を追求します。

一方で、物語の中で、古田織部は周囲の人々と対立する場面もあります。戦国時代の動乱や豊臣秀吉による朝鮮出兵などの時代背景を踏まえ、古田織部は、茶の湯を通じた和解や人と人とのつながりを大切にし、自分の信念を貫く姿勢が描かれています。

また、物語の中では、茶の湯の世界以外にも、様々な文化や芸術が描かれます。例えば、陶芸家の野々村仁清との出会いや

彼との交流、浄土宗の僧侶との出会いなどが描かれます。さらに、豊臣秀吉の朝鮮出兵や、江戸時代初期の大名の権力争い、徳川家康の江戸幕府の成立など、当時の社会情勢も描かれています。

古田織部の理想の生活に向けての試行錯誤や苦悩、そして時代の流れや周囲の人々の思惑に翻弄される姿が描かれる中で、彼の心の成長や茶の湯に対する深い理解が描かれています。また、登場人物たちの個性的なキャラクターや、美しい風景の描写も魅力の一つです。

『へうげもの』は、歴史的な背景を踏まえ、美しくも力強い茶の湯や陶芸、そして人々の心を描いた作品であり、多くの読者から高い評価を受けています。

おすすめポイント

『へうげもの』のおすすめポイントは以下の通りです。

  1. 歴史的な背景が描かれている 物語の舞台となる時代は、戦国時代から江戸時代初期までの約200年間で、茶の湯や陶芸、美術などが発展し、日本の文化が豊かになった時期です。物語は、茶の湯の世界だけでなく、当時の社会情勢や武家文化、宗教文化なども描かれ、歴史的な背景が丁寧に描かれています。
  2. 茶の湯や陶芸、美術などの文化が描かれている 『へうげもの』では、茶の湯や陶芸、美術など、当時の文化が詳細に描かれています。茶の湯の世界や陶芸の技術、美術の表現などが鮮やかに描かれており、読者は、日本の美を存分に堪能することができます。
  3. 登場人物たちの個性的なキャラクターが魅力的 古田織部をはじめとする登場人物たちの個性的なキャラクターが魅力的です。それぞれが自分なりの信念や考え方を持ち、それに基づいて行動しているため、読者は彼らの姿勢に共感したり、感情移入したりすることができます。
  4. 美しい風景の描写が鮮やか 物語の中で描かれる美しい風景の描写が鮮やかです。古田織部や他の登場人物たちが旅をする場面や、自然が美しく描かれるシーンなど、読者を魅了する美しい風景がたくさんあります。

『へうげもの』は、日本の歴史と文化を学ぶとともに、美しくも力強い茶の湯や陶芸、そして人々の心を描いた作品として、多くの読者から高い評価を得ています。

読者の評価

読者の評価の一例です。

・歴史の勉強にもなるし、文化や芸術に触れることもできる。古田織部や登場人物たちの個性的なキャラクターが魅力的で、彼らの成長や苦悩を見ていると、自分自身の人生にも深く考えさせられる。

・茶の湯や陶芸、美術など、当時の文化が詳細に描かれており、日本の美を存分に堪能することができる。また、時代背景を踏まえた物語は、緻密で興味深く、読み応えがある。

・古田織部の人間性や、茶の湯を通じた人と人とのつながり、そして美学が描かれており、日本の伝統文化を学ぶのに最適な作品だと思う。

・物語の中で描かれる風景や茶器の美しさが素晴らしく、画力が高いと感じる。また、古田織部や野々村仁清、千利休など、実在した人物を登場させていることも、物語のリアリティを高めていると思う。

・歴史漫画としては珍しく、主人公の古田織部が戦を回避するために奔走する姿勢が描かれている点が、新鮮で興味深い。

纏め

『へうげもの』は、日本の歴史や文化を学ぶだけでなく、美しい風景や茶器、そして人々の心を描いた作品として、多くの読者から高い評価を得ています。古田織部を中心に、豊かな生活を追求し、茶の湯を通じて人々の心を豊かにする姿勢が描かれる中で、彼の成長や苦悩、そして周囲の人々との関わりが描かれています。また、当時の社会情勢や武家文化、宗教文化なども描かれ、歴史的な背景が丁寧に描かれています。『へうげもの』は、美しくも力強い日本の文化や美学を学ぶことができる、おすすめの作品です。

“Hyouge Mono” has gained high praise from many readers as a work that not only teaches about Japan’s history and culture, but also depicts beautiful scenery, tea utensils, and the hearts of the people. The story centers around Furuta Oribe, who pursues a rich life and strives to enrich the hearts of people through tea ceremony. His growth, struggles, and interactions with the people around him are portrayed. The historical background is also depicted in detail, including the social situation, samurai culture, and religious culture of the time. “Hyouge Mono” is a highly recommended work that allows you to learn about Japan’s beautiful culture and aesthetics with its powerful beauty.

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日本の名著見るだけノート/福田和也

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こちらの本に紹介されている本は以下の本になります

(目次を引用)

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